コンサルを仕事に選ぶ時の注意点
以前の記事ではコンサルタントで働く面白さを紹介しました(参照)。この記事は、コンサルティング会社で働く事に興味をもっている方に以下を解説します。
- コンサルタントの仕事の大変な点
- キャリア上のリスク
「コンサルの仕事」では、コンサルタントの仕事や面白さ、キャリア上のメリットについて説明しました。しかし、どんな仕事もそうですがよい事ばかりではありません。コンサルの仕事を選ぶときに、大変さやリスクもきちんと理解して判断したいですよね。
転職エージェントが教えてくれないリアルな事も書いてみます。
コンサルタントの仕事の大変な点
コンサルタントの仕事は超激務だとか、人間関係がドライだとか言われていたりします。そういう状況もあるかもしれませんが、どんな職場でもあり得ることだと思います。
ここではコンサルタントという仕事の特性による大変さを説明したいと思います。
初めてが多い
初めてが多い事はコンサルタントという仕事の特徴です。新卒や転職の際は、どんな職場でも初めての事がありますが、一度覚えてしまえば初めての事は減っていきます。しかし、コンサルタントの場合、プロジェクトが変わると業界も変わったりテーマもかわったりと初めてが尽きません。インプットしながらアウトプットするのがあたりまえという事です。
これはなかなかしんどいです。慣れてくればこの辺りをおさせておけば良いだろうと、落としどころを考えながら仕事ができるようになります。それまでは、あれもこれも調べて結果、時間ばかりかかってしまうということがよくあります。
曖昧なことが多い
クライアントの要望そのものが曖昧なことが多いです。だからこそコンサルティング会社に仕事を依頼しているとも言えます。また曖昧な指示を出すマネージャー(上司)も結構います。明日までにこの市場リサーチしておいてとか。
私などSEから転職した当時は、曖昧な状態であることにすら気づかず、目の前にある事に取り組んで、その結果、期待していたものと違うというようなことがありました。
これはさすがに極端だとしても、暗黙の前提が置かれた状況で仕事をしてきた人は、目指す成果や期待値を明確にすることを意識しておく事が大事です。
期待値が高い
セルフスターターという言葉をご存じかと思いますが、コンサルたるもの自分でなんとかすることを期待されているふしがあります。もちろん自分ひとりで全部をこなす必要はなく、チームで仕事するのですが、足りないものは自分から取りにこい、という阿吽の呼吸があります。またアウトプットがまとまらなければ残業するしかないよね、という前提もあります。
こういう働き方は今は古いのかもしれませんね。働き方は本人の意思で選べるものですが、自負心がある人が多いので、自分や互いへの期待値は高くなる傾向があります。そして何よりクライアントが払っている報酬も高いので、それに見合った成果を出すために妥協しない。
経験を積めば、おのずと自分の価値が出せるようになり、期待に応えるという感覚はなくなります。それまでは、自分や周囲、クライアントの期待値に如何に応えるか格闘の日々です。
キャリア上のリスク
コンサルタントという仕事は自律的にどこでも仕事ができる基礎体力がつき、報酬も高く魅力的なキャリアです。一方でリスクもあります。
コンサルしかできなくなる?!
今の時代、沢山のキャリアの選択肢があります。会社に縛られずフリーになっていろいろな稼ぎ方もできる時代です。一方で、家族の事などによりリスクをとれないため会社で働くことを選ぶ人もいます。この時、一度コンサルタントとして働くと、コンサルティング会社でしか働けなくなるリスクがあります。どういうことでしょうか?
一つには、事業経験のなさがキャリアのネックになります。ある程度のポジションでの中途採用では事業をマネジメントした経験や、特定の職種での5年~10年の経験が要件になっているケースが多いです。コンサルタントの場合、その性質上、事業マネジメントや同じ職種での経験を積むことが難しい場合が多いのです。
次に、高い給料がネックになります。コンサルタントで一定期間キャリアを積んだ30歳~35歳なら年収1000万円は超えていますが、事業会社への転職では年収維持が難しくなります。自分の選択次第ですが、極端に年収を下げる選択が難しい事もあるでしょう。
専門性が付きにくい
コンサルタントとしてどんな経験を積めるかは、アサインされるプロジェクト次第です。例えば、2年間ずっと大規模プロジェクトの管理をするようなプロジェクトもあります。未経験者や専門スキルがない場合は、こういった人手がかかる大規模プロジェクトにアサインされる可能性が高くなります。
プロジェクトを抜けたい、というのはコンサルのよくある悩みですが、抜けた後どうなるかはその時にどんなプロジェクトが動いているか次第です。
逆に言えば様々な経験ができ臨機応変に対応できる力はつくのですが、果たして自分は何の専門家なのだろうか、”売り”は何だろう、と考えてしまう事があります。
ではどうするか?
ここまで読まれて、コンサルタントを仕事に選ぶことを迷われたでしょうか?
そんなことわかってる、なんとかなる、やってみなきゃわからない、と思われた方が多いのではないかと思います。そう思われた方、はい、なんとかなります!本気で面白そう、やってみたいと思える仕事でれば、先のことは何とかなるものです。
このサイトでは、若手の方やコンサルに転職された方の苦労を多少なり減らせるよう、仕事をこなすコツや、キャリアの作り方についても書いていきたいと思います。